広報・PR研究者のメモブログ

広報・PR関係の情報や、大学教育関係の情報を整理するブログです。

番記者が取材対象の広報として採用される事例が増加中?

『選択』(3/6(月) 13:02配信)によれば「トヨタ自動車番記者たちが次々と第二の人生の舞台に「トヨタ」を選んでいることが話題を呼んでいる」とのこと。

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

記者が企業や政府の広報担当に転職することはよくある。広報史を紐解けば、現代的な広報産業は新聞記者が築いてきたものと言って過言ではない。

ただ、転職を想定して記者がジャーナリズムの原則に反するような報道をしてしまうことや、多くの記者が広報担当に鞍替えすることで報道体制が弱体化し、戦略的な情報発信が増加してしまうこと、いわば報道と広報の勢力関係が崩れることは社会的に望ましくない。

アメリカでは、記者よりも企業の広報担当の方が給料や仕事環境が良く、ピューリッツァー賞を受賞するような優秀な記者ですら広報担当になるケースが多いとされている。日本ではこの状況がどの程度進行しているのか気になるところ。

ICA2017: The 67th Annual Conference of the International Communication Association

昨年は福岡を中心に開催されたICA(国際コミュニケーション協会/学会)、今年は5月にサンディエゴで開催予定。

PR divisionだけでも31のセッション(報告としては100件以上?)がある。

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67th Annual Conference - International Communication Association

Proceedingsが公開されたら今年の興味深い報告をいくつか整理してみたいと思います。余裕があれば過去の分も整理してみたいです。

広報系の文献リストのリンク集

ネット上で発見した、広報・PRの文献リストのリストです。

見つけ次第、追加します。自分自身でも文献リストを作ってみたいと思います。

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広報、広聴、PR、Public Relationsそれぞれの関係

広報・PRの定義についてはさまざまな議論や種類、特徴があります。当ブログの「定義」カテゴリでは、その複雑な世界を少しでも整理することを試みます。

 

「広報とPRは違う」

日本のPR業界最大手、電通PRのサイトでは「違う」とされています。*1

ポイントは、「広報」が「広」く「報」じる、というように、一方的に伝達する行為ととられるのに対し、PR(Public Relations)は「公衆(Public)」との「関係」として捉えられること。後者は一方的ではなく、双方向なコミュニケーションを通した関係構築とみなされている。

 

このように「広報」を「一方的な情報伝達」として捉えるのを「狭義の広報」ということがあります。*2

 

「広報と広聴は違う」

日本広報協会によると、「広聴」とは「広く一般の意見を聴くこと。」*3

「狭義の広報」と、広聴は別のものですが、二つがセットになる、双方向的なコミュニケーションを「広報」と呼ぶこともあります。これが「広義の広報」になります。

「広義の広報」と「PR」Public relationsは同じものだとされる場合が多いイメージです。

 

「PRとPublic Relationsは違う」 

時々見かける主張です。「PR」は広告と同義のものとして使われることが多いため、「PR」は「広義の広報」や「Public relations」と違うものとして捉えるケースです。

 

 

以上のように、細かく分ける議論をあえて図にまとめるならば以下のような形になるでしょうか。ただ、このような関係はかならずしも業界や学会で合意されているものではなく、状況や文脈によって使い方も異なります。煩わしいです。

 

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このブログについて

広報・PR(パブリック・リレーションズ)という分野の研究をしています。多くの組織や個人が実践しているけれど、広報・PRを対象とした研究はまだ多くなく、関連情報もあまり整理されていないようです。

 

そこで、広報・PR関係の記事や事例、書籍、研究、調査などネット上で見つけたものをこのブログの中で少しずつ整理していきたいと思います。